Looking one thing, Thinking another thing

02 05, 2017
立春を過ぎる。今年は雨が少ないような。

普段メモ帳を持ち歩いている。何か気になることがあったらそのメモ帳にさっと記す。あれこれ書き残してはいるが書きっぱなしがほとんどであまり見返すことはない。だからたまに電車で移動するときなどに読むものがなくなった時、暇つぶしにメモ帳を振り返る。

“Some things are hard to explain.
Looking one thing, Thinking another thing”

一年前ほどの日付とともにそんな英文が書いてあった。どこで書いたのだろう?と調べたら西新宿のICCで見た「John WOOD and Paul HARRISON: Some Things Are Hard to Explain(説明にしにくいこともある)」という展示のときだった。展示内容はよく覚えているのに、メモを取ったことはすっかり忘れていた。改めてその英文を読んでみると、いい一文に思えた。

あるものを見ながら、別のことを考える。その感覚にどこか共感を覚える。何かをぼんやりと見ているときの感じだ。目の前にあるものを観察するということではなく、見るともなく見る。見ながら何かを思い出したり、考えたりする。そのときの感じだ。

そうえいば以前フィンランドを訪れた時、とある公園のベンチに若い男性が座っていた。その人は身動きひとつせず、ただ目の前をぼんやりと見つめていた。フィンランド政府観光局によると、フィンランド人は沈黙を好むという。何も言わず、何もしない。ただそこで太陽の光を見て何時間もたたずむ。そのような時間を大切にするという。あの男性はその情報通りの人だったのかもしれない。そんな風景をフィンランド滞在中何度か見かけた。

思えば自分が好きになる物や作品はそんな感じでぼんやり見ていることができるものが多い。ICCの展示も一見よくわからないがなんとなく見ていることができる大量の映像が延々と流れていた。いつ始まり、いつ終わるのか。それすらもはっきりしないあいまいさがあって気がつけば長い時間そこで映像を見続けた。周囲を見渡すと、あのフィンランドの男性のように椅子に腰掛け、ぼんやりと映像を見ている人たちの姿が多くあった。

Looking one thing, Thinking another thing.そんな雰囲気を自分の写真にも漂わせることができたらいいなと思う。
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フィルムとX線検査12 マレーシア2016

01 28, 2017
インフルエンザが流行っているらしい。去年かかったので今年はもらいたくないです。

2016年12月、モノクロフィルムを持ってマレーシアに行ってきた。持って行ったフィルムは「Tri-X」。滞在期間は一週間で20本用意した。

事前の準備はいつものとおり。
【準備】
・フィルムは必ず機内持ち込みする
・フィルムは紙箱からすべて出し、フィルムケースに入れたまま透明のジップロックに入れる
・できればカメラ本体にはフィルムは入れないでおく
・手荷物検査で機械に通す前に「フィルムです、ハンドチェックお願いします」と検査官に伝える
 英語では"This is camera film, Hand check please"と伝えている
・機内持ち込みする荷物とは別にフィルムを入れるバッグも用意しておくと便利
 (ぼくは布のトートバッグを用意)

結果から言うと、行き帰りともハンドチェックをしてくれた。現像の結果も良好。今回は乗り換えがないので行きと帰りの2回だけ。なんて楽なんだ。

【行き】羽田空港
安定の羽田空港、フィルムの入った袋を見せるとすばやくセキュリティゲートの横を通し、ハンドチェックをしてくれた。今回もフィルムケースを一つ一つ開けてチェックしている。いつ行っても、どの人でも同じようにチェックをしてくれる。管理が行き届いている感じがして実に安心だ。

【帰り】クアラルンプール国際空港
旅行した時期は12月のホリデーシーズンだった。そのせいで空港が混雑するという情報を事前に人から教わっていたので念のため早めに空港に行く。出発の3時間半前に着くと出発ロビーは人で溢れかえっていた。空港にはテロ対策のためか、ずいぶんとごつい銃(サブマシンガンというのかな)を持った警官が警備にあたっていた。あまり人が多い場所に長時間いたくないのでさっさと出国することにする。

手荷物検査場でフィルムの入った袋を検査官に見せる。さきほどの警備の様子からチェックが厳しくなっているかもしれない…そう思うと身が引き締まる。慎重にゲートの近くに立つ男性にフィルムの入った袋を手渡す。すると男性検査官はおもむろに袋をガシャガシャと振り、OK!とチェックを完了した。なんてカジュアルなんだ。さらに袋をぼくに手渡しながら肩をポンと叩き、「こんなにフィルムを持っているとは...きみはプロフェッショナルフォトグラファーだな?」と言ってニヤリと笑った。出発ロビーのマシンガンと、この検査官の温度差。マレーシアはすばらしいと思った。

【結果】
帰国後、年末年始の間にフィルムを現像する。結果すべてのフィルムに異常なし。マレーシアはフィルムに優しい国だった。チャイナタウンのカメラ屋にはフィルムの中古カメラが売っていたし。

1週間の滞在で使ったフィルムは20本。1日平均約3本。いつもは2本がせいぜいなのでマレーシアは効率がよかった。1日あたりに使ったフィルムの数は、自分が滞在中にどれくらい楽しんでいたかを示す指標のひとつだ。


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ランニングウェアを選ぶ

01 18, 2017
今年の1月は晴れの日が多い。

気がつくとランニングウェアが古くなっていた。擦り切れたり破れたりしているわけではないが、ピシッと体にフィットせずどこかよれている。いつ頃買ったのかと振り返ってみたらもう12年ほど前だった。よくそんなに持ったなぁと感心する。

ランニングは健康維持のために続けている。週に何日か一人で家の近くを小一時間走る、ということを繰り返している。あくまで健康管理の一環なので、趣味というよりは健康食品を食べるのと似ている。レースは年に一度青梅マラソン(30km)に出るくらいだ。

そんな気持ちを反映してか、ランニングウェアを新しくしようという気持ちがあまりなかった。随分前に買ったものをだらだらと着続けていた結果、ついによれよれになってきてしまった。そろそろ新調してやらなければならない。

年が明けて大型のスポーツ用品店に出かけるとセールの真っ最中だった。色とりどりのウェアが並んでいる。実にカラフル。いつも思うのだがランニングウェアはカラフルだ。普段着る服とは懸け離れた色が使われている。ランニングはカラフルに、という暗黙のルールがあるかのようだ。落ち着いた色を探すと黒、ネイビー、グレーになる。落ち着いた色のバリエーションがもう少し多いと助かるのだけど。

ついでに言うとシューズももう少し落ち着いてほしいと思う。未来からやって来たかのような形の靴や、サイケデリックな配色の靴はあまり選ぶ気にならない。丈夫で履きやすく走りやすい、靴らしい靴を普通に履きたいと思う。

目ぼしい物がないか探していると、ノースフェイスのウェアが目に入った。アウトドアブランドらしいデザインで、シルエットや色使いが他のメーカーと違っていていい印象だった。機能はランニングウェアだけど見た目はランニングしすぎていない。

冬の間はタイツを履いてその上にハーフパンツを履いていたが、別に普段はそんな格好しなくてもいいやと思うようになってきていたので長めのパンツを選ぶ。登山に使うようなパンツをランニング用に変更している感じで、シルエットはすっきりしているがストレッチがきいているおかげで動きやすい。ウインドブレーカーも揃えるとずっと感じていたランニングウェアのもやもやが解消されたような感じがした。

ランニング色が強すぎず、機能はしっかり。健康のために近所を走る身にはこれくらいがちょうどいい。
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海外に行く予定がある新年

01 07, 2017
あけましておめでとうございます。

今年は珍しいことに海外に行く予定が現時点で2件決まっている。いつもは今年もどこか行きたいなーという漠然とした希望があるだけなのに珍しいこともあるものだ。

最初の旅行の行き先はタイ。画伯の仕事の都合で郊外に行く旅行で、ぼくは道中の撮影を担当することになった。

困ったのは服装だ。タイは昨年プミポン国王が逝去し、国全体が一年間喪に服している。そのため多くの人が黒や白い服を着ているらしい。全員が全員ではないだろうからあまり気にしなくてもいいのでは?と思ったが実際にバンコクに行った人によると、思いの他みな黒い服を着ていて驚いたという。一応仕事で行くのだから、ぼくたちも黒や落ち着いた色の服を用意することにした。

しかしぼくは黒い服を持っていない。その昔、服を買う時つい暗い色ばかりを選んでしまう癖があったので、あるとき「黒い服は着ない」というルールを作った。それが今も続いているせいだ。一応濃紺もOKということだったので、白や濃紺の物を選ぶつもりだが、暗い色の夏物なんて持っていないので、どこかで調達しなければならない。なかなか困った。

もうひとつの行き先はチェコのプラハ。ヘルシンキ経由でプラハに行く。春頃に行こうと思っているがまだ詳細は決まっていない。ずっと行ってみたかった国なのでこちらの方が楽しみの度合いが高い。

持って行くフィルムはB&Hからごっそり購入しようと思っている。少しでも円が高い時に注文したいので、こまめにドル円のレートをチェックしている今日この頃。

ということで今年もよろしくお願いいたします。
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外国に持っていったフィルムを現像する

12 30, 2016
大掃除。空気が澄んで遠くがよく見える。自分の目がよくなったかのよう。

マレーシアで撮影したフィルムを現像している。まず2本現像してチェック。とりあえず問題はなさそう。外国で撮ったフィルムからネガができあがると、長い道のりであったと思ってしまう。

カメラが正常に動き、フィルムには問題がなく、荷物を盗まれたり置き忘れてきたりしない。体調を崩すことなく、撮りたいと思うものに出会い、毎日フィルム数本を使うことができ、空港の手荷物検査でX線をあてられることなく、無事帰国する。そして適切な手順で行われた現像を経て、ようやくネガができあがる。

今引き伸ばし機にセットしようとしているとネガは、そうした関門をひとつひとつ潜り抜けてきた歴戦の勇者であり猛者である。アメリカからまとめて購入したコダックのフィルムが我が家にやってきたのは今年の秋のこと。あのときダンボールから取り出したフィルムのうちの一本が、今手元にネガとなって存在する。よくぞここまで、と褒めてあげなければならない。とネガを見ながらついしみじみとした気分になってしまった。多分年末のせいだ。

今年も一年ありがとうございました。来年もまた展示ができるよう努めていきますので、2017年もどうぞよろしくお願いします。

皆様の新しい一年がよい一年になりますように。
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プロフィール

泉大悟 (Daigo IZUMI)

Author:泉大悟 (Daigo IZUMI)
モノクロ写真が好きです。

「恍然大悟(コウゼンタイゴ)」は中国の成語で「ハッと悟る」という意味。

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http://www.dizumi.com/

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