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スティル・ライフを読む

気温20℃。窓を開けていても寒くないし暑くもない。昨日小雨が降ったおかげで湿度も適度。まだ虫も鳴いていないのでやけに外が静かに感じる。

Facebookを見ていたら池澤夏樹の小説「スティル・ライフ」の冒頭の一節が出ていた。前に一度読んだはずだがすっかり覚えていない。読むととてもいい文だったのでダンボールにしまってあった文庫を引っ張りだして改めて読みなおすことにした。

池澤夏樹の本はなぜかよく読んでいる。昔詩に興味をもったとき「この世界のぜんぶ」という詩集を読んだ。以来何かしようとするたびに、池澤夏樹の本が先回りして待ち構えていた。

バリ島に行くことになったときは「花を運ぶ妹」、ハワイに行くときは「ハワイイ紀行」、島つながりで「夏の朝の成層圏」、星野道夫が気になり「旅をする木」を買ったら解説が池澤夏樹、という具合に。近いところでは写真家エルンスト・ハースの図録を手に入れたら解説が池澤夏樹だった。さすがに驚いた。

改めてスティル・ライフを読んでみると写真の見方のコツが出てきた。

「なるべくものを考えない。意味を追ってはいけない」
「写真というのは意味がなくてもおもしろい。一つの山がその山の形をしているだけで、見るに値する」

このあたりはエルンスト・ハースの解説となんとなくつながっているのが面白かった。
解説にはこうある。

「彼の作品には何の意味もない。それを見る者は決してそこに何かを読み取ろうなどとしてはいけない。大事なのは意味を超えること、〜〜かぎりなく美しい無意味の側に身を移すことだ」
「意味を求めず、解釈を試みず、ただ見よ」

多分この先も何か興味をもって調べてみたら池澤夏樹にぶつかることがある気がする。どこで現れるのかちょっと楽しみ。

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
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