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個展準備日記2

朝、近所で鳴いていたうぐいすはどこかに行ってしまったようだ。

1週間ほどかけて展示用のプリントをした。水温は15℃くらい。少しお湯を足して薬品を注ぐ。プリントする枚数は一日15枚ほど。大体4時間くらいかかる。掃除や水洗を含めると6時間くらい。調子がよくてもそれ以上はやらない。次の日に持ち越す。やりすぎるとミスが増えていいことがない。

印画紙の値段がぐぐっと上がった今日この頃、些細なミスはできるだけ減らしていきたい。今回は初日に大体の些細なミスをやり尽くしたおかげで、それ以降はおおむね順調だった。スポーツニュースで聞く「立ち上がり制球に苦しみましたが、2回以降は立ち直り...」という内容だった。

プリントするのは2010年から2015年までの間に撮った写真だから、ネガを探すのに古いコンタクトシートにざっと目を通した。普段からカメラを持ち歩いて撮影しているので、ところどころに記念写真として撮った知人友人家族といった人の顔が見つかった。あまり変わっていない人もいれば、若さを感じる人もいた。その中の一人に去年この世を去った人の姿もあった。

画家/イラストレーターだったその人は、ぼくの父親よりも年上だった。普段どこかで会って話をするということはなく、会う場所はもっぱら個展会場だった。その人の展示や、画伯やぼくの展示のときに会うという関係だった。

折に触れて手紙をくれる人で、一度もらった手紙には「よき友人ができて幸せです」といったことが書いてあった。これだけの年齢差がありながら、「友人」という言葉を使ってくれたことにぼくは感激するとともに、自分ももっと年齢を重ねたあとにそんなことが言えたらと思った。結局ぼくの展示は2011年に見てもらえたのが最後となってしまった。もう一度見てもらいたいと思っていたが、叶わなかった。

作品のために持ち歩いているカメラだが、気がついたときに周囲の人の記念写真を撮っておくといいものだ。コンタクトシートをめくりながらそんなことを思った。


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【個展のお知らせ】

泉大悟写真展
「UNDERCURRENT」

期日:2015年5月12日(火)~17日(日)
場所:銀座月光荘 画室3 東京都中央区銀座8-7-5 金春ビル4F
時間:12:00〜19:00 (最終日は18時まで)

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
Website
http://www.dizumi.com/
Instagram
izumi_daigo/

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