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絵の中へ

少し蒸し暑くなってきたような。昼間は短パンで過ごす。

展示が終わったらやけに疲れていた。会期中は元気いっぱいだったのに、搬出をして荷物を積んで家へと車を走らせていたら疲れがどっと出てきた。緊張の糸が切れる、というのはこういうことなのかと思った。疲れは一週間くらいしてようやく抜けた。

イギリス旅行の準備をしている。十数年ぶりの英国、前回の旅行の記憶はほとんどない。土地勘もないし、地名もあまり覚えていない。ということでロンドンの地図を見ながらどこになにがあるのかを勉強する。

個展が終わった日、イギリスの画家、ターナーの伝記映画「ターナー、光に愛を求めて」の試写会の当選通知が届いた。ターナーの絵を見る、というのが今回の旅行の大きな目的のひとつ(画伯の憧れらしい)なので、作品と対面する前に映画でターナーについて学ぶことができるなんて幸先がいい。

映画はみっちり2時間半、ターナーの半生を描いている。Wikipediaに出ている自画像とはだいぶ違うターナー。映画の方が実際に近いらしいから、まあ調子のいいときは自画像のように見えたのかもしれない。

映画の背景や光が魅力的で、ぼくはターナー本人や物語よりもそのセットに目が行ってしまった。絵の中にいるような感じだ。家の中やアトリエ、貴族の別荘、旅先の宿。この部屋の中を写真で撮りたいと思うシーンが度々あった。あと出てくる人々が着ている、実際の生活の中でくたびれていったかのような衣装も美しかった。

色について熱心に探求していく姿勢が随所から伝わってくる。写真館でダゲレオタイプの写真を見て、なぜカラーで撮れないのか?と写真師に問うたりしていた。カラー写真が撮れたら、ターナーはどんな写真を撮ったのだろう。

イギリス旅行に行く前に、この映画を見ることができてとてもよかった。生のターナーの絵を見ることができるのはもちろん、もしかしたら映画の中で見たような風景を実際に目の当たりにするかもしれない。個展の余韻も薄れてきたし、体の疲れも抜けてきたし、旅行に行くのが楽しみになってきた。

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アトリエのシーン。室内を一日ゆっくり眺めてみたい。
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Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
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