記事一覧

フィルムとX線検査10 イギリス2015

家の外壁の塗り直し中。保護のためビニールで窓を覆われる。ビニールハウスで過ごす夏。

モノクロフィルムを持ってイギリスに行ってきた。持って行ったのはモノクロフィルム「Tri-X」。
値上がりする前にごそっと買い溜めた一部を持って行く。その数40本。

イギリスではしょっちゅう「ラブリー」という言葉を聞いた。いいね、とかすてきね、とかそういうことらしい。ぼくも滞在中は積極的にラブリーを使ってみた。今日はラブリーな天気だね、とか。

今年もこうしてフィルムを持って海外に行くことができることができた。ぼくが写真を始めた頃からフィルムはもうすぐなくなるよと言われていたが、5年ほど経った今もこうしてフィルムを持って旅行に行くことができている。ラブリー。

イギリスまでのルートは成田空港-ヒースロー空港。直行便のブリティッシュ・エアウェイズで行ってきた。事前の準備はいつものとおり。

【準備】
・フィルムは必ず機内持ち込みする
・フィルムは紙箱からすべて出し、フィルムケースに入れたまま透明のジップロックに入れる
・できればカメラ本体にはフィルムは入れないでおく
・手荷物検査で機械に通す前に「フィルムです、ハンドチェックお願いします」と検査官に伝える
・機内持ち込みする荷物とは別にフィルムを入れるバッグも用意しておくと便利
 (ぼくは布のトートバッグを用意)

結果から言うと、成田はハンドチェックOK、ヒースロー空港はNGだった。

【行き】
成田空港では丁寧にハンドチェックに応じてくれた。今回の担当者は女性。フィルムケース蓋を開けるのを手伝いながら少し話をする。過去には著名な写真家のハンドチェックをしたことがあるらしい。顔でわかる写真家というと数人に絞られそうだ。チェックは数分で完了。

【帰り】
ヒースロー空港は入国の時に随分混み合っていたので帰国のときも早めに空港に行った。ロビーには手荷物検査の混み具合が人の形のマークで大きく表示されていた。出国しようとしたら人がいっぱいで焦る、ということがなくていい。日本の空港にも欲しい表示だ。

ヨーロッパの手荷物検査はとにかく厳しいと聞いていたのである程度覚悟をしつつ検査に向かう。とりあえず入り口で白人女性検査官にハンドチェックの依頼をすると「OK、フィルムね、待ってて」と言って誰かを捜しに行った。

間もなくインド系と思われる女性が現れて「通しなさい」と一言伝えてきた。ハンドチェックしてもらえないですか?とお願いするもNOの一点張り。「以前影響が出た事があったんですよね」と話してみるも無表情のまま。そんなこと知らん、という雰囲気で首を縦に振ることはなかった。まあ覚悟していたのでさっさと検査機に通した。

それにしてもすごい無表情さだった。表情に変化が一切なく仮面のようだった。ぼくは人のいない部屋の写真をよく撮るのだけど、部屋の壁と向かい合っているときの感覚に通ずるものがあった。あの無機質な壁と似た表情。周囲の空気を固めてしまう表情。

【結果】
フィルムは現像したところ特に影響はなかった。ひと安心。一度検査機に通した未使用のフィルムは日本国内で使うようにする。X線のダメージは蓄積していくから、また海外に持って行って検査機に通すことになると次は影響が出てしまうかもしれない。

ということでロンドンヒースロー空港の検査は前評判通り厳しかった。ヨーロッパの国は今後いくつか回ってみたいと思うのだけど、フィルムを持っているとなかなか大変そう。まあこれが当たり前と思うようにしておいたほうがいいのだろう。

毎回丁寧にチェックしてくれる日本の空港や、フィルムの入った袋をガシャガシャと振ってはいOKと渡してくれる台湾の空港が多分特別なのだろう。台北松山空港は特に速くて、ぼくが検査のゲートをくぐったところですでに検査官がフィルムの袋を持っていて、「これ誰のだー?」と待ち構えているくらいだからすばらしいと思う。安全面ですばらしいかは微妙なところだけど。


heathrow.jpg
How Busy Is Security?の表示。今は南が空いているぞ。




関連記事

プロフィール

Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
モノクローム写真を撮っています。

Website
http://www.dizumi.com/
Instagram
izumi_daigo/

ブログ内検索

月別アーカイブ