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重い日

まだストーブを出していない。今年は秋が緩やかに続いている。

このところ取材の撮影がぼちぼちと続いていて、一日機材を持ち歩くことが多い。右肩にカメラ類の入ったショルダーバッグ、左肩にライトを立てるためのスタンドなどが入ったケースを担いで歩く。

それぞれはある程度重い。重すぎるということはないけれど、一日持ち歩くには十分重い。

両肩に荷物をくいこませながら歩いていると、体が歪んでいくような気がする。右に、左に、背骨がS字カーブを描いてぐにゃりと変形していくような感じがする。ときどき右肩と左肩の荷物を入れ替えて、S字を反対にしてやることで体をごまかす。

信号待ちの最中は肩から荷物を下ろす。こまめに荷物を下ろすことで体への負担を減らす。近くに赤ちゃんを体にくっつけた母親が立っていた。片手には上の子の手がつながれている。荷物ではないけど、小さい子を二人連れて歩くのもまた大変だろうなと思う。

その点ぼくの荷物は泣かないし、走りだしたりしないし、駄々をこねたりもしない。ただ静かにずしりとそこに存在しているだけだ。とても聞きわけがいい。だからきみは楽なのだ。と自らに言い聞かせる。その代わり隣の母と子のように「何食べて帰ろうか?」みたいなさりげない会話を交わすことはできない。別に話しかけてもいいけど、人ごみの中で重い金属の入った袋に「何食べて帰ろうか」とか話しかけている人がいたらぼくなら近づかない。

昼食時、店内のテレビを見ていると外国の警官か治安部隊が重装備で街を歩いていた。重いものを持ち歩いているせいか、つい重さに目が行く。あれ重いんだろうな...と漠然と思う。あれに比べたらぼくの荷物は重いうちに入らないだろう。銃弾も飛んでこないし。だからきみは午後も荷物を運ぶことができる。余裕でいける。と自らを鼓舞する。

翌日、肩や背中に痛みを感じる。筋肉痛がやってきた。やはりそれなりに負荷がかかっていたのだ。でも荷物は最低限必要なものを持ち歩いているわけだから、これ以上減らすわけにはいかない。

どうやったら楽ができるだろう?色々な種類のカメラバッグが出ているけど、どれも一長一短があるようだ。疲れにくく、荷物が取り出しやすく、かつ見た目がいい。そんな荷物を運ぶ理想的な手段を模索している。
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Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
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