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期限切れの印画紙を使ってみる

春のような陽気の中、横浜で展示を見る。ついでに横浜美術館のスーパーフラット・コレクション展にも立ち寄る。訪れる度に横浜がおもしろく感じるようになってきた。


昨年末、W氏の暗室の大掃除を手伝ったとき大量の印画紙を処分した。印画紙は紙だけど消費期限がある。表面に塗られている薬剤が劣化してしまうためだ。カラーの印画紙は特に消費期限が厳密で、期限が切れると適切な色が出なくなってしまう。モノクロの印画紙の方がカラーに比べて使える期間が長い。

ストックしてあった古い印画紙を確認してはバサバサとゴミ箱に捨てていく。ゴミ箱が紙でいっぱいになる。なんかもったいない。モノクロの印画紙ならまだ使えるかもしれないので、試しに古い印画紙を少しもらってみることにした。

「これあげるよ」と手渡されたのはイルフォードのRCペーパー。サイズはキャビネで200枚入り。辞書みたいな分厚い箱に入っている。多分期限が切れて5〜6年は経っていると思われる。イルフォード愛用者としてはこれは捨て置けない。「預からなければなるまい」ぼくは頷きその印画紙を持ち帰ることにした。

後日暗室で使ってみる。小さいキャビネサイズの印画紙を半分に破いて段階露光して適正な露光時間を探す。

テストの感じではそこまで劣化は見られなかった。以前も古い印画紙をもらって試したことがあったが、そのときは黒が黒く出なかった。どんなに露光してももやっとした黒になるだけでどうにも使えなかった。しかしこの紙はどうだ。黒は黒く出ているし白も白く出ている。試しに数枚プリントしてみると普通にプリントできた。ように見える。フレッシュな状態を知らないから問題なしとは言い切れないが、見た感じは悪くない。これなら使えそうだ。

今まで使用する印画紙の最小サイズは8x10(六切、A4より少し小さいくらい)だった。たまにフィルムで撮った記念写真を渡すときもこのサイズだったが、どうも渡された側としては大き過ぎるようだった。あまり大きな記念写真を渡されても嬉しくないかもしれない。保管しにくいし。

ということでしばらくの間記念写真のプリントに使ってみることにした。200枚もあればたっぷり使える。問題は記念写真をプリントする機会はそう多くないこと。使い切るのが先か、使えなくなるのが先か。

いずれにせよモノクロの印画紙は期限が切れていても一度使ってみるといいと思った。使ってみてイメージと合えば期限が切れていても構わない。意図的に古いフィルムを使う人もいるそうなので、期限が切れた印画紙にも思いがけない使い道があるのかもしれない。

プロフィール

Author:Daigo IZUMI /泉大悟
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