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チェンマイから戻る

暑いチェンマイから戻ってきた。

チェンマイはバンコクと違って空気がきれいだった。木々や花の香りがあたりに漂い、どこかバリ島を思い出した。

ごはんもおいしい。香辛料やハーブ、ナンプラーといった東南アジア独特の味が薄い印象で、一週間毎日食べ続けても胃が痛くなったり日本料理が恋しくなったりすることはなかった。一応北タイ料理にまつわる風景の取材、というのが名目だったのでありがたかった。値段もお手頃で一食60円~300円くらい。気兼ねなくオーダーできる。北欧や英国を訪れたあとアジアに来るとその食事の豊かさと値段の安さに改めて驚かされる。

昔北京で中国語を学んでいたとき、中華料理に飽きたときはよく雲南料理を食べに行った。雲南料理は味がさっぱりめで、日本の味に近かった。北タイに位置するチェンマイは雲南省も近い。そのせいかところどころ懐かしい味がした。

辺境作家・高野秀行の本には、タイは「味の下の平等」が進んでいる、と書かれていた。食に関してはお金がある人もそんなにない人も美味しいものを食べることができる社会。そう言われてみれば味が評判だという町の小さな食堂には、ごくごく一般的な人もいれば高級車を店の前に停めた裕福そうな人達の姿もあった。

困ったのは暑さ。4月、5月のチェンマイは一年で一番暑い。もうどうにもならない暑さ。

滞在中は天気に恵まれ、約一週間毎日快晴。おかげで気温はぐんぐんあがり、最高気温は41℃(天気予報には体感気温43℃と出ていた)に達した。経験したことのない暑さだ。現地に住む人もこの暑さと雨の少なさはおかしいと話していた。

40℃を超えると日射しが頭の上から押しつぶしてくるような感じで、太陽に首根っこをぐっと押さえつけられているかのようだった。体はまともに動かない。鞄に入れていたペットボトルの水はお湯になり、首から下げていたE-M1(デジカメ)がやけに暑くなっていて壊れないか心配になった。

トゥクトゥクのおじさんは客席に身を投げ昼寝している。犬も猫も車の下で休んでいる。僕たちも寺院の木陰でぐったりしながら休んだ。エアコンの効いたカフェに逃げるのもいいけど、こんな暑い日の風景もしっかり見ておきたいとも思う。幸い湿度が低いせいか日陰で動かないでいればなんとかやり過ごす事ができた。

12時~17時まではその暑さが続く。夕方になって気温が下がり始めると、途端に体が動くようになる。首を押さえていた太陽の手から力がすっと抜ける感じ。

日中は観光どころではないので、おもに早朝に動くようにしていた。朝4時に起き、5時にホテルを出て街中で夜明けを迎える。そのまま10時頃まで街をうろうろとして、11時以降は室内か木陰でやりすごす。夕方になったら活動を再開し、夜は22時には寝ていた。

よく食べ、よく汗をかき、木陰で昼寝をしたチェンマイ。体はきつかったが子供の頃の夏休みのようでとても楽しかった。バンコクとはうまくいかなかったが、チェンマイとはいい関係が築けそうで、早くも次はいつ行けるかを考えてしまっている。


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朝5時30分、ターペー門前で夜明けの空を描く画伯。


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