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Looking one thing, Thinking another thing

立春を過ぎる。今年は雨が少ないような。

普段メモ帳を持ち歩いている。何か気になることがあったらそのメモ帳にさっと記す。あれこれ書き残してはいるが書きっぱなしがほとんどであまり見返すことはない。だからたまに電車で移動するときなどに読むものがなくなった時、暇つぶしにメモ帳を振り返る。

“Some things are hard to explain.
Looking one thing, Thinking another thing”

一年前ほどの日付とともにそんな英文が書いてあった。どこで書いたのだろう?と調べたら西新宿のICCで見た「John WOOD and Paul HARRISON: Some Things Are Hard to Explain(説明にしにくいこともある)」という展示のときだった。展示内容はよく覚えているのに、メモを取ったことはすっかり忘れていた。改めてその英文を読んでみると、いい一文に思えた。

あるものを見ながら、別のことを考える。その感覚にどこか共感を覚える。何かをぼんやりと見ているときの感じだ。目の前にあるものを観察するということではなく、見るともなく見る。見ながら何かを思い出したり、考えたりする。そのときの感じだ。

そうえいば以前フィンランドを訪れた時、とある公園のベンチに若い男性が座っていた。その人は身動きひとつせず、ただ目の前をぼんやりと見つめていた。フィンランド政府観光局によると、フィンランド人は沈黙を好むという。何も言わず、何もしない。ただそこで太陽の光を見て何時間もたたずむ。そのような時間を大切にするという。あの男性はその情報通りの人だったのかもしれない。そんな風景をフィンランド滞在中何度か見かけた。

思えば自分が好きになる物や作品はそんな感じでぼんやり見ていることができるものが多い。ICCの展示も一見よくわからないがなんとなく見ていることができる大量の映像が延々と流れていた。いつ始まり、いつ終わるのか。それすらもはっきりしないあいまいさがあって気がつけば長い時間そこで映像を見続けた。周囲を見渡すと、あのフィンランドの男性のように椅子に腰掛け、ぼんやりと映像を見ている人たちの姿が多くあった。

Looking one thing, Thinking another thing.そんな雰囲気を自分の写真にも漂わせることができたらいいなと思う。

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
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