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棚をいただく

彼岸花が彼岸前に枯れていた。

Roundaboutで買って来た木箱にやすりをかけ、部屋に置く。こうして家具を少しずつ増やしていけたら、と思っていたところに銀座の月光荘が店舗のリニューアルをするという話を耳にした。

銀座月光荘は個展の会場としてお世話になっている。画伯は不定期で月光荘教室の先生もやっているのでスタッフの人たちとは顔見知りになっている。

ちょうど銀座で撮影の仕事があった日、帰りに立ち寄って店長に話を聞いてみると、数日後に改装を始めるということだった。忙しそうに仮店舗への移設の準備をしている。がらりとレイアウトを変えるため、今使っている什器の一部はあげたり処分してしまうらしい。ふとレジの裏にある年季の入った木の棚が目に入る。思い切ってこの棚は頂けますか?と聞いてみるとむしろ引き取ってもらえたら嬉しいというではないか。

後日車で銀座まで行き、ありがたく古い棚を頂戴してきた。棚は手作りなのか、微妙に棚の幅が違っている。グレーに塗り直してあるのだが、右側面と上部の板だけは色が塗られていない。多分どこかに設置してある状態で、見えるところだけ塗ったのだろう。色はところどころ剥げてしまっている。どこか小学校の下駄箱を思い出す容姿をしている。

家に運び込み、さあどこに置こうかと考えたとき、積み上げた木箱の横に置いてみるとぴったりきた。そこによく手にする画集や写真集、文庫などを気取って置いてみる。棚の幅が低いので本は寝かせて置く。この置き方は那須のカフェSHOZOの真似だ。

離れて見るとあまりにぴったりでここ以外に置く場所はもうなかった。まるでももう何年も前からそこにあったかのように見える。いい物は時に前からずっと身近に存在していたかのような振る舞いをする。

なんだろうこの新しい物を買った時には得ることができない高揚感は。商品を買ったときの感じではない。誰かの作品を購入したときの感じだ。まとまった資金を大量に投入して一気に揃えるのではなく、時間と縁を大事にして少しずつ出会っていくのは楽しい。

月光荘は現在近くの仮店舗で営業中。2017年10月上旬、元の場所に新店舗ができあがるそうです。


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月光荘の棚。右はやすりがけした木箱。

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
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