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静けさと遠くに行くこと

個展まで約1ヶ月となったので案内のハガキを出し始める。SNSでのつながりがない人たちを中心に住所を書く。

月光荘画室3での展示は3回目。タイトルは3回とも同じ。前回、前々回からの続きなのでタイトルはそのまま。これでおしまい、とすっきり区切りがつけられるときがいつか来るんだろうか。

タイトルの「UNDERCURRENT」は「底流」という意味で、表面に現れない別の流れのこという。

2013年の夏至の頃、フィンランドを旅行した。夜になってもなかなか日が沈まず、真夜中にぼんやりと窓の外を眺めていた。幼少の頃からぼくは誰もいない部屋で一人室内をながめているのが好きで、その習慣はいまだに残っている。そのときも同じように暗い部屋で一人、窓から深い青色をした街の風景を眺めていた。

ふと室内に目をやると、薄い光がカーテンと壁をじんわりと照らしていた。物の輪郭は曖昧で、視界はぼんやりとしていた。その目の前にある風景を見つめていると、風景の背後に何か別のものが滲んで見えてくるような気がした。すべてが止まっているようでありながら何かが流れているようでもある。

人のいない、動きがないような風景を眺めていると視線が止まる。体の動きも止まる。何かの情報を得るために目や頭を動かす必要がなくなり静かになる。そのとき普段はあまり動いていない心の部分が動くき始めるように思う。脈略もなく昔の記憶が蘇ったり、思いがけない何かを想像したりする。心がいつもいる場所から少し遠い場所に移動していくような感覚を覚える。

この感覚をうまく表す言葉がないかなと探している時に「UNDERCURRENT」という言葉を知った。静かな水面でも、その奥底に別の流れがあることを知りこの言葉がいいと思った。

写真でも絵でも映画でも、ぼくは「静かになる」「心が遠くにいく」という効果を与えてくれるものがとても好きだ。自分が好きなものの共通点はここにある。だからぼくもそういう効果を持ったものを写真で作りたいと思っている。



undercurrent002.jpg
フィンランドの夏至の頃の夜。2015年のDMに使った。




3月に写真展があります。

泉大悟写真展
「UNDERCURRENT」
2018年3月13日(火)-18日(日)
銀座月光荘 画室3
東京都中央区銀座8-7-5 4F (Google map)
12:00-19:00(最終日は18時まで)

Daigo IZUMI Photo Exhibition
“UNDERCURRENT”
Tue 13 – Sun 18 March 2018
At “GINZA GEKKOSO GASHITSU No.3”
Ginza 8-7-5-4F, Chuo-Ku,Tokyo
12:00-19:00 (13 Nov 12:00-18:00)

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プロフィール

Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
モノクローム写真を撮っています。

Website
http://www.dizumi.com/
Instagram
izumi_daigo/

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