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フィルムとX線検査14 イタリア2018

2018年6月、モノクロフィルムを持ってイタリアに行ってきた。
持って行ったフィルムはコダック「Tri-X」。40本ほど持っていった。

事前の準備はいつも通りに行う。
【準備】
・フィルムは必ず機内持ち込みする
・フィルムは紙箱からすべて出し、フィルムケースに入れたまま透明のジップロックに入れる
・手荷物検査で機械に通す前に「フィルムです、ハンドチェックお願いします」と検査官に伝える
 英語では"This is a camera film, Could you hand check please?”などと伝えている
・機内持ち込みする荷物とは別にフィルムを入れるバッグも用意しておくと便利
 (ぼくは布のトートバッグを用意)

結果から言うと、行き帰りともハンドチェックをしてくれた。
現像の結果も問題なさそうだ。

【行き】成田空港
日本の空港はフィルムを見た瞬間ハンドチェックを理解してくれる。世界屈指のハンドチェック大国、日本。多くの世界的カメラメーカーを抱える日本ならではの充実ぶりだ。例え国産フィルムがなくなっていっても、フィルムを扱うその手は丁寧そのものだ。ぼくは日本の空港の手荷物検査を担当する検査官に最大級の敬意を払わらなければならない。いつも本当にありがとうございます。出国税?1,000円?ハンドチェック手数料だと思えばお安いご用だ。

【帰り】フィレンツェ・ペレトラ空港
フィレンツェには日本から直行便がない。フィレンツェの小さな空港から一旦ローマに行って、そこから成田へ向かうコースで帰国する。乗り継ぎをしたけど手荷物検査はフィレンツェだけで済んだ。

テロが各地で起きる昨今のEU圏。イタリアでのハンドチェックももちろん期待していなかった。一応フィルムは手にしているけど、どうせダメって言われるだろうしさ、最初からX線に通してしまおうかな、と考えていた。同行している画伯もそうだよね〜と同意している。しかし私は一人のフィルムユーザーとしての実験を行っているのだ、という崇高な使命を思い出し、ダメでもともと、という気持ちでハンドチェックを依頼してみた。

女性検査官にフィルム40本の入ったジップロックを見せて言う。丸暗記イタリア語でお願いする。「スクーズィ、ハンドチェック、ペルファボーレ」スクーズィはエクスキューズミー、ペルファボーレはプリーズ。意外にも女性はあらハンドチェック?といったそぶりで奥の方にいる男性検査官に袋を持って何やら確認に行った。しばし検査の列で待つ。荷物はすべて検査のためのカゴに入れている。ベルトすらも外した無防備な状態で待つ。

「そのままこちらに来なさい」という身振りでゲートをくぐるよう指示してきた。まさかハンドチェックしてくれるなんて!ユーロ圏なのに!ぼくは心の奥底から静かに湧き上がる驚きと喜びを確かに感じつつ、検査機のゲートをくぐっていった。グラッツェ、イタリア!

ゲートを抜けるとぼくの大切な撮影済みフィルムの入ったジップロックは無造作に検査官の何かの機械の上に置かれていた。これ、持って行きますよ?と男性検査官に確認すると、彼は静かに右手の親指を上げた。これが伊達男か…。

【結果】
イタリアはヨーロッパながらどこか一昔前のアジアのようなおおらかさが感じられる場所だった。そのおおらかさが空港にもあるのだろうか。それともフィレンツェの小さな空港だから可能だったというだけなのだろうか。一度訪れてその奥深さと存在感の大きさを肌で感じ、これから時間をかけてじっくりと訪れたいと思ったイタリア。今後も別の都市の空港でハンドチェック、ペルファボーレに挑戦していくことになりそうだ。

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
写真展開催中です。土日オープンです。

泉大悟展
2019年6月22日~7月21日
Monochrome Gallery RAIN
東京都世田谷区池尻 3-6-9
開廊: 展覧会期間中 土曜・日曜 14時~19時

Website
http://www.dizumi.com/
Instagram
izumi_daigo/

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