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古着と写真

このところ古着がおもしろいと感じている。旅行中、蚤の市やリサイクルショップがあると立ち寄って古着を見る。

日本にある古着屋は、服の状態やブランドなどをある程度選んだものが商品として並べられている。店主の目と手による品定めを経た品質の担保された古着だ。

ヨーロッパを旅行した時に見かけた古着は、どちらかというと不用品のリサイクルといったものが多かった。

フィレンツェでは食品を扱う市場の周りに日用品や古着を扱う露店が毎日出ていた。値段は安め。古いものも新しいものも、ボロいものもまだまだ着ることができるものも混じっている。まさに玉石混合といったところで、その中から自分に合いそうなものを探していくおもしろさがあった。

客層を見ると若い人もいれば高齢者もいる。どの年代の人も自分にあった服を選ぶのが上手な印象だった。サイズや色、素材の組み合わせがうまいのだろうか。自宅のクローゼットの前にいるかのように服に袖を通し、鏡の前で悩んでいる。古着特有の、新しいものにはないくたびれた感じもあって、それぞれの人たちがみなどこか個性的な出で立ちに見えた。そしてそれが古い建物の多く残るフィレンツェの街並みに溶け込んでいた。

ベルギーのブリュッセルでも古着屋に行った。そこで初めて「古着の量り売り」というものを体験した。1kg=15ユーロ(2000円しないくらい)と書かれた店内には体重計のような秤とカゴが確かに置いてあった。選んだ服を秤の上に置くと重さとともに値段が表示される仕組みになっている。

店内の古着はある程度のセレクトがなされていたのだが、どこかに知的さを感じるセレクトに思えた。「まだまだ着ることができる」かつ「今の雰囲気もおさえている」というような品揃え。それらが値段もつけられずに(量り売りだから)、種類別色別でハンガーにかかっていた。

店名は「Melting Pot (るつぼ)Kilo」。歴史的に近隣の様々な国が交差してきた十字路のような場所に位置する国、ベルギー。人や物資とともに古着も各地からここブリュッセルに流れ込み、混じり合ってこの「るつぼ」を作っている。自分たちでは全てを管理・把握することはできない。どこか受け身の姿勢でありながら、それを商品として扱ってしまうしたたかさを店内から感じた。

古着を探す楽しさは写真を撮るときの楽しさと似ている。

自分なりにいいと思うものを探す。よく歩いて、目を凝らして探す。見つけることができるときもあれば、見つからないときもある。思いがけないものに出会うこともある。明日同じ場所に来ても、同じものが見つかるとは限らない。

そこに行かないとわからない楽しさ。その時その時だけの楽しさ。その時の自分に必要なものが見つかる楽しさ。

高校生の頃は米軍横田基地が近所だったこともあって古着屋は身近な存在だった。最近は足が遠のいていたが、写真を通じて思いがけず懐かしい古着の世界に近づいていた。

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画伯の個展があります。お時間ありましたらお立ち寄りください。
ぼくもお手伝いで在廊予定です。

おおのきよみ展
My Sketchbook 旅のスケッチ展8
イタリア、オランダ、ベルギーの旅
会期 2019年5月21日(火)〜26日(日)
時間 12:00〜19:00(最終日は18時まで)
場所 銀座月光荘画室3 東京都中央区銀座8-7-5金春ビル4F
https://www.asiancafe.org



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Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
モノクローム写真を撮っています。

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