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フィルムとX線検査17 オランダ2019

2019年3月、モノクロフィルムを持って海外に行ってきた。行先はオランダとベルギー。持って行ったフィルムはコダックの「Tri-X」30本。これからフィルムをもって海外に行こうという方の参考になれば幸いです。

【準備】
事前の準備はいつも通りに行う。
・フィルムは必ず機内持ち込みする
・フィルムは紙箱からすべて出し、フィルムケースに入れたまま透明のジップロックに入れる
・一度X線の検査を受けたフィルムは持っていかない(X線の影響は累積するので)
・手荷物検査で検査機に通す前に「写真用フィルムです、ハンドチェックお願いします」と検査員に伝える
 英語では"This is a camera film, Could you hand check please?”などと伝えている
・機内持ち込みする荷物とは別にフィルムを入れるバッグも用意しておくと便利
 (ぼくは布のトートバッグを用意)

結果から言うと行きも帰りもハンドチェックをしてもらえた。すばらしい。

【行き】成田空港
成田空港についてはもう何も記すことがないくらいだ。どの季節に行っても、どの列に並んでも、必ずハンドチェックをしてくれる。バッグを検査機に通し、ボディチェックのゲートを通り抜けるとその先に検査官が立っていて、こちらでハンドチェックしますので、と奥のテーブルのところに来るよう呼ばれる。そこで一本ずつフィルムケースを開けてチェックをしていく。すべての人が同じようにチェックをするので、検査方法がきっちり共有されているのだと思う。検査が終わったフィルムをジップロックに入れるのだけを手伝って無事通過。

【帰り】オランダ アムステルダム・スキポール空港
オランダの3月は風が強いらしく、ぼくと画伯が帰国する日もあいにくの強風だった。おかげで帰国日が1日ずれたくらいだ。

セキュリティチェックの様子は見たところ厳しめだった。荷物はもちろん、ポケットの中のもの、ベルト、アクセサリーなどの金属類もすべて外している。そして一人一人くまなく全身をチェック。

これは厳しそうだ…と思いつつも英語でハンドチェックを依頼してみる。すると思いがけず申し出を受け入れてくれた。日本のようにフィルムを一本ずつチェックはしなかったが、しっかりとジップロックの中を目視していた。

そしてぼくの撮影済みフィルムは「Good pictureが撮れているといいね」という男性検査官からの言葉とともにぼくのもとに戻ってきた。正直すごく嬉しかった。また来ます、オランダ。

【結果】
帰国後しばらく時間を空けて現像。X線とは無縁だったので当然問題はなかった。ひと安心。

ハンドチェックは旅行中のひとつのイベントだ。フィルムカメラを使う人だけが参加できるイベント。昨今の国際情勢から、どこの空港もチェックは厳しい。だからダメでもともと、という気持ちでチェックをお願いする。してもらえなくても仕方ない。通常のモノクロフィルムにX線の影響が出る可能性はそう高くないことを理解しつつ、検査機を通ることになったフィルムの安全を祈る。

でも時にハンドチェックをしてもらえることもある。するとどうだろう、もともと何もないところに「ラッキー」「嬉しい」「いい人だ」「いい国だ」といった肯定的な気持ちがそこに生まれてくる。それが少なからずその国や空港に対していい印象をもつきっかけになっていく。フィルムを使って写真を撮る人にはそんなささやかなオプションが与えられている、と考えてみる。

プロフィール

Author:泉大悟 Daigo IZUMI
Website
http://www.dizumi.com/
Instagram
izumi_daigo/

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