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フィルムがX線被りする

今年の冬は暖かい。

滞っていたフィルムの現像。お昼ごはんをもって暗室に行きせっせと現像。

数本分ベタを取ってみたら一本だけ妙なフィルムがあった。コントラストがやけに薄い。露光不足のような感じで、本来しっかり黒くならなければいけないフィルムの枠の部分も白っぽくなっている。

うーん現像を失敗してしまったのだろうか?おかしいなぁと思いながら同時に現像したもう一本のフィルムを見てみたらこちらは問題がなかった。

一本が正常、一本が異常。ぼくの使っているパターソンの現像タンクは2本入るものなので、現像の失敗だとしたら2本ともだめになるはず。

写っているものをみると、外国の風景から始まり、飛行機の中から撮った空、そして日本の風景となっているものだった。そうかこれは空港の手荷物検査のときにカメラの中に入っていたフィルムか。

以前X線被りが出た写真を見たことがある。X線被りしたネガを使ってプリントしたその写真もコントラストが極端に低くなっていた。もやーっとした写真。

これらの状況から考えるに、検査機のX線の影響を受けたという可能性が濃厚だ。他の原因はちょっと思いつかない。

ここ10年ほど、年に何回か海外に行っている。基本的に空港では使用前と撮影済みのフィルムは必ずハンドチェックをお願いして、できるかぎりX線にさらされないよう努めている。

ただカメラの中に入っていたフィルムは普通に検査器に通すことも多かった(もう少しで一本終わるな、というときは巻き上げてしまうけど)。結果、ついにX線の影響を受けるとき来てしまったようだ。

X線被りだとしたら、2008年の台湾でカラーフィルムがだめになって以来2回目。モノクロフィルムでは初めて。

状況を箇条書きするとこんな感じ。

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・年月
2019年9月

・場所
オランダ、アムステルダム・スキポール空港
(ハンドチェックをしてくれたので他のフィルムは問題なし)

・フィルム
コダックトライX(TRI-X400)

・症状
フィルム一本全体のコントラストが低くなっている。
黒が黒く出ない。白が白く出ない。いわゆる「眠い」状態。ムラもある。

・対策
カメラの中にフィルムを入れない。

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暗室で見ているときはそんなにショックではなかったけど、改めて書き出してみると怖いことだ。

ハンドチェックを拒否された場合、今回のような影響が出るかもしれないということだ。数十本のフィルム全部に影響が出てしまったらと思うと。ああ恐ろしい。

そういう被害をできる限り避けるために、やはり空港でのハンドチェックの依頼は欠かせない。少しでもX線を浴びる機会を減らさなければならい。

快くチェックに応じてくれる国や人も多いのも確かだが、拒否されることもまたよくあることだ。検査官のさまざな反応を思い出す。

「(無表情で)NO」「ハンドチェックしてくれって?答えはNOだ」「ISO400?問題ないよ、通しなよ!」「OKOK(といいながら検査機を通す)」

拒否され検査機を通ることになったら...無事を祈るしかない。


IMG_1064rs2.jpg
X線の影響が出たと思われるネガ。枠が白くなっている。



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