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フィルムがX線かぶりする(今年2回目)

今年の冬も暖かいのかな。

国内線に乗る機会があり、久しぶりに羽田空港第二ターミナルへ。

保安検査場に行くと、荷物を置くためのトレイが自動で出てくるタイプになっていた。ANAのサイトによると「スマートレーン」と呼ばれるもので、混雑緩和が期待できるみたいだ。この設備、どこかで見たことがあるなーと思ったら前にアムステルダムで見たものとよく似ていた。

羽田空港(国内線)A・B検査場のスマートレーンのご案内(ANA)

今回もいつものようにフィルムを持ってきているので、X線を避けるためハンドチェックを依頼。

ただカメラの中にフィルムが入っていたので一本だけは検査機を通過することに。以前の記事で書いたが、アムステルダムではX線かぶりがあったので、同じ検査機だと同様の影響が出るかもしれない。「取り出すべきか...?」とも思ったが、ここはひとつ実験してみることにした。フィルムが入ったまま検査機を通過していくカメラ。さあどうなるのだろう...。

帰りの地方空港ではカメラの中を空にして、フィルムすべてをハンドチェックしてもらった。その結果はというと、羽田のフィルムだけ前回と同じような現象が現れた。以下症状などを箇条書きしてみます。

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・場所
羽田空港第二ターミナル A検査場

・カメラに入っていたフィルム
コダックトライX(TRI-X400)

・症状
全体に薄く光が当たっているような感じ。
ネガの状態で見ると、素抜けであるはずの部分が黒っぽくなる。
見ためは結構黒めのネガになっている。
コンタクトをとると黒い部分が完全な黒にならない。少し明るめの黒、グレーになる。
結果として見た感じはコントラストが低下していわゆる「眠い」感じになる。

・対策
カメラの中にフィルムを入れておかない。
フィルムは透明の袋に入れてハンドチェック(ハンドイスペクション)を依頼する。

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案の定X線かぶりをしてしまったわけだが、写真全部が感光して見えなくなってしまうようなことはなかった。少々眠い写真にはなったけどプリントすることはできる。プリントが上手い人ならコントラストの調整でなんとかなるかもしれない。

ぼくの場合はもともとコントラストの高い写真があまり多くないこともあり意外と普通にプリントできそう(もちろんやりにくいけど)。反対にこういうX線の影響をひとつの効果として前向きに活用する人がいてもおかしくないのかもしれないなーとも思った。X線かぶりエフェクト。

ぼくは影響は極力避けたいと思っているので、基本的には今までどおりハンドチェックを依頼し、カメラの中にはフィルムを入れないようにしていくことになると思う。実験は今回だけで十分だ。

特に最近はCTスキャンの技術を利用した保安検査機が登場している。数年前から噂で聞いてはいたのだけど、この検査機だとほぼ確実にフィルムに影響が出るみたいでメーカーも注意喚起している。

羽田はアメリカのL3社製「CLEAR SCAN」という検査機を使っていた。医療用のCTスキャンの技術を使ったもので、手荷物を360℃ぐるりと見てチェックできるとのこと。お値段は一台約7,000万円ほどだそう。

新しい検査機の登場でフィルムに影響が出ることが確実になっていくと、検査官も積極的にハンドチェックの対応をしてくれるようになるのかもしれない。今は対応する人によって基準が違うから、検査場ではいつもハラハラする。その点が明確になっていってくれるならCTスキャン型の検査機の普及も歓迎だ。全世界の空港で一律「フィルムはハンドチェックするよ」という時代がくるかもしれない。

コロナウィルスにより空港に行く機会が失われてしまっているが、その背後で保安検査場をとりまく環境は少しずつ変化している。

参考にどうぞ
米国X線検査強化に伴うフィルムの取扱いについて(コダックアラリスジャパン)
空港の手荷物CTスキャンについて、感材メーカーが注意喚起(デジカメWatch)
成田空港での実証実験の記事(トラベルWatch)
羽田で初運用したときの記事(リスク対策.com)

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Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
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