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家で撮ってみる


緊急事態宣言が発令されてから、家にいる時間が長くなった。

もともと家にいる時間は長い方だが、仕事などの外出の機会が減った(切実な話だ)こともあり、以前にもまして家で過ごす時間が長くなった。

そんな生活の中で増えたものが二つある。

ひとつはジョギングの回数。5kmほどの距離を週に5-6回走るようになった。それが去年の春から続いている。時間があるってすばらしい...。

もうひとつの増えたものはフィルムの消費量。

冷蔵庫の中には常時モノクロフィルムが50本ほど保管されている。これはいつでも旅行に行って撮影ができるようにと準備してあるものだ。

今までは年に何度か旅行に出かけることができていたから、20〜30本ずつ定期的に入れ替えが行われていた。

しかし旅行に行けなくなってしまった今日この頃、ふと冷蔵庫の中のフィルムを見ると消費期限が刻々と近づいてきているではないか。

買ったときは「2021年10月」なんてずっと先だと思っていたのに...。これはいけない。旅行に行かないからってフィルムを消費する量が減ってしまうのはよろしくない。

外出しない+消費期限切迫、という今までにない問題を出された結果、では家で撮ろうという答えが導き出された。

もともと自分が撮ろうとするものに場所はあまり関係ない。国内でも国外でもカメラはいつも持ちあるいているし、いいと思うものが見つかればいつでも撮影する。

ならば家で撮影しよう。身の回りをよくよく観察しよう。

気持ちの上でのお手本は、好きなチェコの写真家、ヨゼフ・スデク(1896-1976)。スタジオの窓辺の風景や、室内で撮影した静物の写真は繰り返し繰り返し見たくなるものだ。

去年の春頃から始めたのでもうすぐ一年。フィルムは着実に消費され、結構楽しんで取り組めている。

小さな部屋の中でできることには限りがあるから、それが制限になる。制限のある中で、あるものを使って何ができるのか、終始行き詰まっている感じはするけどその行き詰まる感覚の先に大切なものがあるような気もする。

どこかに行かないと撮れないものはある。でもどこにも行かないから撮れるものもあるかもしれない。



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スデク先生の小さな写真集。



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Author: 泉 大悟 / Daigo IZUMI
モノクローム写真を撮っています。

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