恍然大悟

2月の日曜日

Posted by 泉大悟/Daigo IZUMI on  

だいぶ暖かくなってきた。

久しぶりにバライタプリントをする。寒すぎる時期が去り、ほんのり暖かくなってきたので少し気が早いがプリントすることに。

2月下旬のよく晴れた日曜日、バックパックに軽めの昼食(カロリーメイトメープル味)とお茶、チョコレート、これからバライタにする写真のRCプリント、本を一冊入れて自転車で暗室へ向かう。バス停をいくつか通過し、坂をひとつ越え、10分ほどペダルをこぐ。人の姿はあまりない。陽射しが暖かく気持ちがいい。

そのときふと、暗室へと向かうこの時間になんとも言えない喜びを感じた。

撮れなかったり、うまくいかなかったり、満足しなかったりすることはある。よくわからなくなったり、納得したりしなかったり、迷ったりすることもしょっちゅうある。しかし、とりあえず、今日もまた暗室へ向かうことができる。

暗室があって、フィルムがあって、印画紙がある。薬品があって、カメラがあって、動く体があって、時間がある。たまに忘れてしまうのだが、実はこれはすばらしいことだ。いつまでも当たり前のように続くことではないだろう。

このあとぼくは暗室を掃除して、お昼を食べて、プリントして、水洗の間少し昼寝をする。そんなことを考えながら自転車に乗っているこの時間を、いつかふと思い出すような気がした。


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