恍然大悟

写真の話は終わらない

Posted by 泉大悟/Daigo IZUMI on  

少し前にW氏の新しい本が出た。「撮る力、見る力」という一冊。

文章はW氏と話し相手の対話形式がとられていて、非常に読みやすい。読むというか、隣で話を聞いている感じだ。

聞こえてくる話の内容は写真に関するいろんなこと。カメラ、レンズ、写真集。写真史に現代写真に美術。カメラが好きな人から、写真を学びたい人、美術としての写真に興味がある人まで幅広い人が気軽に読むことができる内容になっている。自身のYoutube「2B channel」で話している内容も多く出てくる。

ページをめくっていると、文章がW氏の声で再生されていることに気がついた。なんとなく懐かしい気持ちになる。これはその昔、「2B」の部屋の中で行われていた会話のようだ。

ぼくがW氏のアシスタントをしていたときは東京の江古田に事務所があって、そこで毎週「2B」という名前のワークショップが開かれていた。

新しく出たばかりのデジタルカメラ、希少なレンズ、暗室でできたばかりのプリント、写真展の準備、人物撮影のライティング、写真集の解説、今年の木村伊兵衛賞は誰になる...。

事務所の中はいつもW氏とワークショップ参加者の間で交わされるそんな話で溢れていた。写真の話なら延々とできる。W氏はそう言っていたが本当に延々と話していて驚いた。

もし部屋に人格があったなら、やけに写真に詳しい部屋になっていたことだろう。そんな部屋の中で、写真を学び始めたばかりのぼくも部屋と一緒に話を聞いていた。

ビルの立て直しに伴い、事務所はなくなったが写真の話は終わらない。話は2B Channelやこの書籍の中で延々と続いている。


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