恍然大悟

発光するものを撮る

Posted by 泉大悟/Daigo IZUMI on  

寒くなってきた。落ちていたかりんの実を拾って帰る。

取材の撮影で10代の人を撮影した。快晴の日、強い影が出るのを避けて建物の陰で撮ることにした。撮影中、ファインダーを覗きながらその姿を見ていると、何かが輝いているような印象を受けた。普段自分が見ることがない輝き。

皮膚なのか、瞳なのか、髪の毛の反射なのか。写真を撮っている最中、ずっと何かがキラキラと光っているように感じた。今まであまりそういう経験はなかったので新鮮だった。

写真は光を記録する。ある日、ある時の光の状態を記録する。若い人が跳ね返す光を、古い物が跳ね返す光を、半透明な物が跳ね返す光をそのまま記録してくれる。

写真には私が感じた印象的な光は記録されなかった。ファインダーをのぞいているときの輝きは、どうやら私が勝手に感じた想像上の光だったらしい。

10代。ずいぶん前のことに感じるがついこの間のような気もする。あの頃の自分も、今日の人のようにキラッと輝く瞬間が少しはあったのかな。


関連記事